流星の向こう側。

流星が空の向こう側に落ちていく。
地平線はどこまでも遠くて、吸い込まれるように手を伸ばしても決して届くことはない。
一度、あの星が欲しいと言ったことがあったように思う。
「このまま、逃げちゃおうか」
悪戯っぽくそう言われた。「どこまでも遠く、走って逃げたら、あの星ももっと近くなるかもしれないよ」
そう笑う面影が、今は遠い。星空に溶けて消えた遠い記憶だ。
人は死んだら星になるとか、そんなようなことは、誰もが一度くらいは耳にしたことがあると思う。
運よく生き延びた私は、こうして今日も流星が落ちていくのを眺めている。
星空の向こうに、救われることのなかった魂があることを願う。せめて暗い空で輝けると。












本当はリメイクして短編一本に仕上げてノベルティ配布に使おうと思ったのですが、間に合いませんでした。そのうちまたリベンジできるだろうか。
一見意味不明かなと思うんですが、実は奴隷農場の話なんかをベースにイメージして書いてました。
私は限られた文字数でも一回でキッチリ仕上げるほうが得意らしく、推敲はともかく、リメイクとかは苦手らしいなとなんとなくわかってきました。